近年、GoogleマップやGoogleビジネスプロフィールに投稿される口コミの信憑性が
問題視されることが増えてきました。

特に、実際にはその店舗やサービスを利用していない人が口コミを投稿する、
いわゆる「サクラ（偽レビュー）」が大きな問題となっています。

こうしたサクラ行為は、消費者に誤解を与え、店舗や企業の信頼性を損ねる原因となるだけでなく、
法律的にも違法行為に該当する場合があり、非常にリスクが高い行為です。

この記事では、Googleの口コミでサクラを使用することがどのようなリスクを伴うのか、
具体的な法律の観点からの違法性、そしてこの問題にどのように対処すべきかについて詳しく解説します。

サクラ（偽レビュー）とは？

サクラとは、本来はその店舗やサービスを利用していないにもかかわらず、
実際に利用したかのように見せかけて投稿される偽の口コミやレビューのことを指します。

通常、サクラは以下のような目的で利用されます。

•   店舗やサービスの評価を人為的に高く見せるため
•   競合店や他社の評価を下げるため
•   特定の商品やサービスの販売促進を行うため

これらの偽レビューは、消費者にとって誤解を招く情報を提供することになり、
正当な判断を妨げる行為として非常に問題視されています。

さらに、こうした行為は倫理的に問題があるだけでなく、
法律に違反する行為である可能性が高いため、慎重に取り扱う必要があります。

サクラ行為の具体例

サクラ行為の具体例としては、以下のようなケースが考えられます。

虚偽の高評価レビュー

利用していない商品やサービスについて、
あたかも体験したかのように装って「5つ星」や「最高！」といった高評価レビューを投稿する行為です。

このような虚偽レビューは、実際には商品やサービスを利用したことがない人が書いているため、
実態とかけ離れた評価が広がる原因となります。

例えば、実際の体験では不満を感じる可能性があるサービスでも、
虚偽のレビューによって信頼性が高く見えてしまい、消費者が誤った期待を抱いてしまいます。

結果として、本当のユーザーが損をするだけでなく、
企業も誤った評価に依存することになり、長期的には信頼を失うリスクが高まります。

これらの行為は、消費者に対して本来の価値を誤認させるため、非常に悪質です。

また、こうした行為が明るみに出ると、ユーザーからの信頼を失い、企業イメージが大きく損なわれるだけでなく、法的な責任を追及されることにもなります。

サクラ行為は違法なのか？法律的な観点からの解説

サクラ行為は、倫理的に問題があるだけでなく、法律的にも違法とされる場合があります。

日本においては、以下の法律がサクラ行為に適用される可能性があります。

(1) 不正競争防止法

不正競争防止法は、企業が正しいルールに基づいて公平に競争するための法律です。
この法律は、嘘の情報や不正なやり方で他の企業に悪影響を与えることを防ぎます。

たとえば、ネット上でお店やサービスに対して嘘のレビューを投稿することがあります。
競合するお店に対して、実際には行ったこともないのに
「この店は汚いし、食べ物もまずい」といった低評価レビューを書く行為は、
そのお店の評判を悪くし、お客さんを遠ざける原因になります。

これは不正なやり方で競争相手の信用を落とす行為であり、
不正競争防止法に違反する可能性があります。

逆に、自分のお店やサービスをよく見せるために、嘘の高評価レビューを投稿することも問題です。
実際に使ったことがないのに「最高！」「5つ星！」などのレビューを書くと、
消費者はそのレビューを信じてしまい、実際とは違う期待を持ってしまいます。
これも、消費者を騙して不正に有利になる行為として法律違反になることがあります。

さらに、レビュー代行業者という、たくさんの偽のレビューを投稿してくれる業者を使って
自分の評判を上げたり、競合相手の評判を下げたりすることもあります。
こうした行為は、消費者に嘘のイメージを与え、市場での競争を不公平にしてしまいます。

不正競争防止法は、こうした不正な行為を防ぎ、正しい競争が行われるように守っている法律なのです。

(2) 景品表示法

景品表示法は、消費者が商品やサービスを選ぶときに、
正しい情報をもとに判断できるようにするための法律です。
この法律は、商品やサービスの表示が不正確だったり、誤解を招いたりすることを防ぎます。

たとえば、「サクラ行為」という、実際には商品を使っていないのに、
あたかも使ったかのように見せかけて高評価をする行為があります。
このように「存在しない口コミ」や「嘘の高評価」を掲載することは、
消費者に誤ったイメージを与え、不当な表示と見なされる場合があります。

具体的には、例えばある商品について「この商品を使ったらすぐに効果が出ました！」
といった虚偽の口コミを掲載した場合、実際に商品を使ったわけではないのに、
そのような誤解を招く表示をすることは景品表示法違反となる可能性があります。
消費者が本来の商品の効果や品質を正しく理解できないため、
このような虚偽の評価は法律で厳しく取り締まられることがあります。

(3) 電子計算機使用詐欺罪（刑法246条の2）

電子計算機使用詐欺罪（刑法246条の2）は、コンピュータやインターネットを使って他人を欺き、
不正に経済的な利益を得る行為を処罰する法律です。
この罪は、オンライン上での詐欺行為にも適用され、サクラ行為がこれに該当する可能性があります。

例えば、虚偽のレビューを投稿して、
あたかも商品やサービスが優れているかのように見せかけることで、
消費者を騙して購入や契約を促し、その結果として経済的な利益を得た場合、
この行為は「電子計算機使用詐欺罪」として処罰される可能性があります。

この法律は、個人が単独でサクラ行為に関与した場合だけでなく、

企業が組織的に関与した場合にも適用されます。

そのため、企業として虚偽のレビューを依頼したり投稿したりすることは、
重大な法的リスクを伴う行為となり、注意が必要です。

万が一、この罪が適用されると、刑事罰として懲役や罰金が科されることがあります。
サクラ行為は単なる倫理的な問題にとどまらず、刑事事件に発展するリスクもあるため、
企業や個人がこうした行為に関与することは厳しく避けるべきです。

サクラ行為のリスクとその影響

サクラ行為を行うことには、法律違反のリスク以外にもさまざまなデメリットがあります。

信頼がなくなる

もしサクラ行為が明るみに出た場合、その企業や店舗は一気にユーザーの信頼を失います。

口コミは、ユーザーの生の声として非常に信頼されやすい情報です。

そのため、口コミが偽であると判明した際のダメージは非常に大きく、消費者が二度とその店舗や企業を利用しなくなることも珍しくありません。

口コミ削除やアカウント停止のリスク

Googleは、サクラ行為や虚偽のレビューを厳しく取り締まっており、口コミが虚偽であると判断されると、そのレビューは削除され、さらにはGoogleビジネスプロフィールのアカウントが停止されることもあります。

アカウントが停止されると、GoogleマップやGoogle検索での表示がされなくなり、ビジネスに大きな影響を及ぼします。

法的責任

サクラ行為が不正競争防止法や景品表示法などの法律に違反した場合、企業は法的責任を負うことになります。

罰金や行政指導、さらには民事訴訟に発展するケースもあり、企業の経済的損失は計り知れません。

また、企業だけでなく、サクラ行為に関与した個人も法的責任を問われることがあるため、非常にリスクが高い行為といえます。

サクラ行為を防ぐための対策

サクラ行為によって生じるリスクを避けるためには、次のような対策を講じることが重要です。

信頼性の高い口コミの収集を行う

実際に店舗やサービスを利用した顧客に対して、正直な意見を投稿してもらうように促すことが大切です。

サービスを利用した後に感想を尋ねたり、レビューを投稿してもらえるようにクーポンや特典を提供するのも効果的です。

不正レビューを見つけたらすぐに削除依頼をする

もし、自社のGoogleビジネスプロフィールにサクラ行為と思われる口コミが投稿された場合は、
Googleに報告し、削除依頼を行いましょう。

自社に不利な虚偽のレビューが投稿された場合でも、適切な手順で対応することが重要です。

まとめ

Googleの口コミで「サクラ」を使うことは、消費者や競合、
そして社会に対して悪影響を及ぼすだけでなく、法律的にも違法行為に該当する可能性が高いです。

不正競争防止法や景品表示法に抵触する恐れがあり、見つかった際には企業の信頼を失墜させるだけでなく、法的責任を追及されることもあります。

企業や店舗は、サクラ行為を避け、正直で信頼性の高い口コミを集めることに注力することが重要です。

ユーザーや消費者の信頼を大切にする経営を心がけましょう。

長期的に見れば、正当な手段で得た信頼は、企業や店舗の成功を支える大きな柱となります。

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